足まわり

Last Update on 2008/9/7





キビキビ動くクルマで走るのは、なんとも言えない気持ちよさがある。
その気持ちよさを決定付けるのは、いわゆる足周り。
バネ、ダンパー、スタビライザー、タイヤ....
その組み合わせ次第で、クルマの性格は大きく変化する。

足元がキマって、コーナリングスピードの上がったクルマには
それに見合った制動力が必要となる。
速く、そして何より安全に走るには良いブレーキが不可欠。

これらフットワーク系は、エンジンパワーを上回るポテンシャルを
備えておくべきだ!とボクは思っています。





フロントサスペンション

リアサスペンション

サスペンション部です。上の写真がフロント、下のがリア。
ご存知の通り、前後共マルチリンク方式。
ストロークもたっぷりだし、ストロークしてもキャンバーの
変化が小さいのが特徴です。日産お得意の方式です。





フロント 車高調

リア 車高調

ダンパーはオーリンズベースのオンオフ品。
オーダー内容は

・車高ベタベタでもストローク確保
・高速ツアラー仕様
・ワインディングで粘る

今までは車高をかなり落としてまして
(オーリンズつるしの状態から -3cm位かな)
若干底つき感もありました。
こういったところを改善しつつ、
普段走るステージでの性能を徹底的に詰める!
というのが今回の主目的です。

まずは、ロッドカットやカラーカット等の加工で
シャコタン時のストロークを確保。
あとは減衰特性変更。
更にはリアのバネもワンオフで作ってもらいました。
ちなみに、設計や加工は全てPCRです。


で、完成して装着した時の感想は...
まず車高がバッチリ!!
車高調整無し(ストロークに関しての基準値そのまま)で
今まで通り(=理想通り)の車高でビックリしました!
「ほんとにこんなベッタベタでも平気なのかな?」 と
半信半疑で走り始めると...
すごい滑らかです。ほんとに滑らか。
マンホールとか路面のちょっとした段差も
たしなめるように走っていきます。
今までもよく動く足だと思ってましたが
比ではありません。乗り心地いいなー
とても 9k/7k のバネが入ってるとは思えません。
こりゃすげーなー!と思いましたね。

でも、これで高速やワインディングがダメダメに
なっては意味がないわけすが...
心配無用でした。

ワインディングはバッチリ粘るし路面のギャップも
足がしっかり動いて車体は安定!
ロール感も文句なしです。

そして高速は...感動ものです。
ほんとに感動!
ギャップも何事もなかったかのように乗り越え、
車体の上下動は最小限に抑えられてます。
乗り心地もいいし、とにかく安心して踏めます。
「クルマってこんなに安定するものなんだ」
心の底からそう思えましたよ。
同乗した人もみんな感動してました。


突き詰めると、やっぱりイイものが出来ますね!
いくら社外品でも、所詮は万人向けなんだと思いました。
恐るべしワンオフ品! 恐るべし職人さん!

ちなみに、細かなコーナーが続く箱根周辺は
完全にダメダメになってました(笑)
まぁいいんです。普段走るステージが楽しくなれば。
捨てるべきところは迷わず捨てる!
チューニングの重要なポイントです (体験談)。





減衰力調整ダイアル (フロント)

減衰力調整ダイアル (リア)

ダンパーの減衰力調整機構。
フロント(写真上)は、ボンネットを開けて
ダンパー上部のツマミを回して調整します。
リア(写真下)は、スピーカボード上に調整用ツマミがあり、
これを手で回して調整します。

リアはスピーカボードに穴開け加工が必要ですが、
加工さえしてしまえば調整は非常に楽です。
以前の NISMO S-tune はダンパーケースの下部に
調整用ダイアルが付いていましたので、
リアタイヤの後ろにもぐって手を伸ばして調整!
っていう感じで大変でした。洋服の袖は汚れるし...。


なお、以前(HKS ハイパーマックスUダンパー装着時代)は
ロール剛性確保の為にニスモの強化スタビライザーを
付けてましたが、今の足にしてからはノーマルに戻しました。
強化スタビとノーマルスタビとを乗り比べましたが、
ノーマルスタビとの方がバランスが良かったですねぇ。
足がHKSの時は、ダンパーのせいかバネレートのせいか
腰砕け感が強くスタビに頼ったセッティングにしてましたが、
今はしっかり踏ん張ってくれますのでストリートレベルでは
ノーマルスタビで十分!という結論です。





真横から(ノーマル車高時代)

真横から(NISMO S-tune改時代)

真横から(現状)

お決まりで車高比較の図です。
一番上がノーマル車高、
真ん中がNISMO S-tune改 (約3.5cmダウン)、
一番下が 現在(約6cmダウン)です。
やっぱり車高落ちると雰囲気変わって良い感じです。





サスペンションアーム

サスペンションアームです。上から...
フロント テンションロッド、
フロント トランスバースリンク、
リア アッパーアーム前側、
リア Aアーム、
リア アッパーアーム後側です。

シルバーのはニスモの強化ブッシュ圧入済品。
7万km走破した愛車の足下リフレッシュ目的で入れました。
ブルーのはクスコの調整式です。
4cm以上車高を落としているため
ネガティブキャンバーがかなりついてしまい
トラクションがあまりかからない状態に陥ってまして、
それを打開するために調整式を導入しました。
1度50分にしてます。

リアを後ろ側から
リアを横側からフロント

装着して走り出してまず気付いたのが、段差を乗り越えた際の
クルマが動きが全然違うことでした。無駄な動きが消えた感じです。
7万kmも走っていたので、ブッシュ類が相当ヘタっていたのでしょう。
また、ハンドリングに大きく影響するテンションロッドも強化ブッシュに
なりましたので、ステアリングの応答性もかなり向上しました。
このチューン、走行距離がいっている車にはかなりお勧めです!





フロントアッパーアーム

アホみたいなシャコタンでフロントタイヤも偏減りが激しく
フロントにも調整式のアッパーアーム入れました。
イケヤフォーミュラ製で、ポジ方向だけに調整可能。
1度30分にしてます。





ブレンボ

フロント ブレーキキャリパー、BNR34純正ブレンボです。
中古で入手してきました。
ローター径が 310φ→324φと大きくなりバックプレートと
ローターが微妙に干渉してしまう為、バックプレートへの
加工が必要ですが、それ以外は完全ボルトオンです。
BNR32やBCNR33のブレンボはボルト径が異なるため、
キャリパー側の穴径を広げる加工が必要になります。

なお、BNR34のバックプレート流用は不可能らしいです。
そこでバックプレート加工となる訳ですが、選択肢は切断か折り曲げ。
僕は後者にし、当たる部分(外周の1cm程度)を外側に
広げました。プレートを平らにするようなイメージです。
バックプレート外しは、耐ダスト性悪化やダンパーオイルへの
熱害が懸念されるため、避けた方が良いらしいです。

インプレですが、最初はノーマルパッドとローターで
試してみたのですが、それでもペダルタッチは向上!
コントロールもし易いです。ブレーキングが楽しくなりました。

心配していたマスターシリンダー容量不足も問題無し。
ER34は元々大きめの対向4POTが入っていますし、
フロントのみ換装であれば容量アップは不必要のようです。
リアも大型キャリパーに換装したら不足するかもですが...。

ホイール装着状態

キャリパー、ちょっと金ぴか過ぎて品が無いですね...(笑)
ま、「換えてるぞ!」っていうアピールにはなりますが。

ホイールは RAYS の A/X スタイルME。
2ピース、深リム、ディスクの色はシャイニングシルバー。

サイズは
フロント:18インチ 8.5J +33
リア: 18インチ 9.5J +33
(オフセットは特注)





フロントホイールリアホイール

出来るだけリムを深くしたかった為、
キャリパーの寸法を計測してそれをメーカーに送り、
ディスクのハイトはギリギリのものを選びました。
結果はバッチリ!
ディスクとキャリパーの隙間は前後共 数mm(笑)

リムの見える部分がめちゃくちゃテカってますが
メッキではなく、材質にステンレスが使われてます。
深み、というか凄みのある光沢ですねぇ。
いやぁこの輝き、とってもいいッス。狙い通り。
ちなみにこの手法だとホイール全体としての
重量も抑えられるそうです。さすがはRAYS。
見た目重視ホイールでも重量は極力抑えられてます。





ツライチ!

最近は車高やキャンバーのセッティングも決まってますので
それに合わせてオフセットは特注でツライチに合わせ込みました。





フロントブレーキローター

フロントローターは ENDLESS の Racing。
スリット入、2ピースタイプ。
中央部にアルミ合金を用いた2ピース構造なんでかなり軽量です。
持ってすぐ分かります。バネ下重量の軽減に貢献〜!
スリットは、ローターとパッドの間に溜まったダストを
外にはき出します。常にパッドの表面がキレイに保たれます。
その結果、フィーリングが変化しにくくなるというわけです。(^^)





リアブレーキローター

リアのローターもスリット入にしています。
プロジェクトμの SCR。

パッドは色々と試した結果、現在は前後共
フェロード DS2500

※パッドのインプレはこちらをご覧下さい


ところで、キャリパーのピストンと、パッドの間には ”シム”
と呼ばれる板が入れてあります。(BNR34は貼ってあった)
これは ”鳴き” を防止するためなんですが、
ブレーキペダルのタッチの剛性感を損ねる原因になっています。
ふにゃふにゃな材質だし....(^^;
ってわけで外してしまっています。
外すと違いがよく分かります。剛性感バッチリ!





ブレーキホース

ブレーキホースはニスモです。
純正のゴムホースのまま14万km以上走ってしまったので
オーバーホールがてら導入しました。





ブレーキフルード

ブレーキフルードはENDLESSの RF650。
F1やWRCで使われているヤツです。
ドライ沸点323度もあるのに
メンテナンスは通常通りでオッケーらしいですよ。





タイヤ

ヨコハマの ADVAN Sports です。サイズは
フロント: 225/40-18
リア: 255/35-18

ネオバ(AD07)、そしてRE050を履き、今度はコレ。

このタイヤもRE050同様大人の走り屋向けタイヤですね(笑)
ネオバほどではないですけど、ちゃんと食ってくれます。
あとはステアリングのドッシリ感がネオバに劣りますが、
しっかり走る割に乗り心地やノイズは素晴らしいです!
普段はGT的に、たまにワインディングを攻める
っていうクルマの使い方をする人には本当にお勧めです。

RE050と比較すると、よりマイルドです。
RE050もかなりマイルドでしたけどねぇ。

パターン

タイヤパターンのアップです。
RE050同様にIN-OUT非対称を採用していて
回転方向指定はありません。
IN側で排水性や縦方向のグリップ、
OUT側で横方向のグリップを確保できるようにしているそうです。
たしかにOUT側のブロックの方が大きいですね。

このタイヤも欧州のハイパフォーマンスカー向けってことで
いろんな要素がものすごく高いレベルでバランスされてます。
で、お値段もものすごく高いです(笑)


ちなみに、安全対策で窒素ガス充填しています。
低扁平率タイヤなので元々の空気容量が小さく、
ちょっとの空気漏れでも内圧不足になってしまいますから。





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