エンジンまわり

Last Update on 2009/5/4





RBエンジン。
日産が自信を持って造りあげる ストレート6(直6)エンジンである。
車にちょっと詳しい方なら、ご存知のエンジンだと思う。
エンジン回転の質感の高さ、スムーズさ、振動の少なさ。
いわゆる ”完全バランス” を達成出来るストレート6エンジンは、
スカイラインが搭載し続けてきた、こだわりのエンジン形式である。

そしてなんと言っても、そのサウンドのカッコ良さ。
僕はこのRBの ”音” にずっと憧れ続けてきた。
道を歩いている時、その音を奏でながら走り去るスカイラインの
後ろ姿を見て何度ため息をついたことか...
「カッコイイ...」

そして、自分のスカイラインが納車され、自分がドライブする車から
この ”音” が奏でられた時、涙がこみ上げるほどの感動を覚えました。





エンジンルーム

タービンとカムを換えており、約400馬力、トルク約50kgです。

エンジンは純正リビルト品。
10万km突破してピストン等かなり傷んできていたので
乗せ換えました。

で、安心してブーストかけられるように圧縮比を落とすべく
ヘッドガスケットを東名の1.5mm品に変更してあります。
圧縮比は約8.7まで落ちてます。純正は9.0。
高圧縮のままではノッキングの嵐になってしまいます。
(ブーストアップ時代から圧縮落としてました)

あと、上まで回すことが多いので
オイルキャッチタンクを取り付けています。





タービン

タービンはHKSの GT-RS です。
単体(ブースト 0.9k)で約400馬力の容量があります。
もちろんブーストコントローラーでもっと上げちゃいます(笑)

余談ですが、
「え? ブースト0.9kで400馬力出るの!?
ブーストアップして1kかけてるのに300馬力ちょいだよ」
って思った方。
その1kはあくまで ”ピーク値” であって、最大馬力を上げるには
そのブーストを高回転まで維持しなければならないのです。
高回転域では単位時間あたりの吸入量が上がってきますから
当然作らなければならない圧縮空気の量も増えます。
その多くの圧縮空気を作る能力(=タービン容量)が大きいと
高回転域まで高いブースト値を維持でき、最大馬力は大きくなります。
しかし純正タービンのように容量が小さいと、
高回転域ではタービンが圧縮空気を作れる量以上に
エンジンが空気を消費してしまい
結果的にブーストが落ちてきて (いわゆるブーストのタレ)
最大馬力は稼げないのです。
低回転域では多くの空気を使わないので
純正タービンでもブーストアップすれば
ある程度のブーストまで上がり
トルクもそれなりの数値になりますけどね。


あと重要なのは、
圧縮した空気をたくさんエンジンの燃焼室に送り込んで、
更には排気側に勢い良く出すことです。
せっかくタービンで多くの圧縮空気を作っても
効率良くエンジンに入らなければ
多くの燃料を噴くことは出来ずパワーも上がりません。
ここで、ハイカムの登場となるわけです。

カム

カムは東名のBタイプ。
作用角は260度、最大リフト量は9.15mmです。
純正カムは、IN側が 236度 8.4mm、
EX側が 232度 8.7mmですから
いかにバルブが長くそして大きく開くかが分かると思います。

で、東名カムの中心角は
IN側が NVCS OFFで 120度、NVCS ONで 100度です。
EX側はメーカー設計値は115度ですが、
カムスプロケを使って 116度に変更してます。
下と上をバランスできるベストなバルタイを
現車合わせで探ってもらっての結果です。


また余談ですが、NVCSって何をやってるかというと、
回転数や負荷に応じてIN側のバルブタイミングを変えてます。
一般論として、オーバーラップ (EX側バルブが閉じる前に
IN側バルブが開き、同時に開いている時間) が多いと
低回転側のトルクが増えます。
排気ガスがエンジンから出ていく勢いに
吸気側の空気が吸い込まれて入っていき
充填効率が高まるからです。
逆に、オーバーラップを小さくすれば
高回転域が伸びるようになります。

これらを両立させる技術がNVCSです。
アイドリング時と (たしか)5400回転以上でNVCSはOFF、
それ以外ではONになります。(負荷にもよりますけど)

中心角が20度も変わるってスゴイですねぇ。





マフラー

さてさて重要な排気系。
マフラーは特注品です。90φ。(出口は 120φ)
もちろんタイコの中も絞らず、フル 90φです。

こだわったポイントは
・車検対応
・抜け確保
・出口が控えめな斜め出し

以前につけていた柿本のフルメガN1は
抜けは良かったのですが、とにかく爆音!
タービンアウトレットやスポーツ触媒など
一通りの排気系に手を入れたらアホみないな爆音に
なってしまいまして、「さすがにこりゃヤバいな」
と思い (笑)、車検対応品への交換を決意。
でも、市販の車検対応品じゃ抜け悪くなっちゃうので
いっそのこと、とことんこだわれる特注品を依頼。

フロントパイプ&触媒

特注で依頼したのは マフラー と フロントパイプ です。
なんとフロントパイプも 90φ、
ブーストレスポンスを追求した結果です。

でも、せっかくフロントパイプもマフラーも 90φにしたのに
触媒との接続部(フランジ)が細かったら無意味。
というわけで、そこにも手を入れ、接続部も 90φ化!
フロントパイプ以降フル90φです。

その抜けと言ったらもう...(^o^)
柿本マフラー装着時代よりも音量は小さいのに
とにかく抜けます!ブーストの立ち上がりがすごい!
やっぱりね、排気系は絞っちゃダメなのですよ。
タイコの中も、各パーツとの接続部も...

ちなみにスポーツ触媒はニスモ製、
タービンアウトレットはHKS製です。





マフラー出口

お手製とは思えないほどの仕上がりのキレイさ。
職人さんって、すごいですねぇ。

出口はほどんと真っ直ぐで、ちょこっとだけ
斜め出しにしました。これも今回のこだわり。

いやぁ、ほんと満足のいく排気系に仕上がりました!!!
排気系はほんと重要なんでこだわるべきポイントですよ。
ターボエンジンの場合、特に抜け。

当たり前の話なんですが、排圧が低い(排気ガスが出やすい)
とタービンは仕事をしやすくなります。
同じブースト値にするにしてもより軽い力で
可能になり、タービンへの負担が減ります。
逆に、排圧の高い排気系ですと
タービンは仕事をしづらくなります。
無理矢理空気を送り込まないといけないイメージです。

ターボ車の場合、(限度はありますが)排圧を落とすことが
パワーアップにもタービンへの負担軽減にも繋がる訳で
とっても重要であることが分かると思います。
ポイントはいかにタービンに負担をかけないか、です。
代償としてブーストのかからない領域でのトルクダウンや
排気音が大きくなってしまうということがありますが...





インタークーラー

インタークーラーは HKS のSタイプです。
コアサイズはまぁまぁ大きいですが、1層。
今のパワーだとギリギリってところでしょうか。。。





エアクリーナー

エアクリーナーは K&N の純正交換タイプです。
ムキ出しタイプはたしかに吸気効率が
上がるのかもしれませんが、遮熱板などを設けたとしても
エンジンルームの熱気をガンガン吸うわけでして...
夏場と冬場のトルク感が全然違うことを考えると
いかに吸気温度が重要かということが分かるわけで、
それを考えると容量不足にならないのなら
純正交換タイプが一番!というのが私の結論です。





ブーストコントローラー

HKSのブーストコントローラー、EVC EZU。
バルブの制御はステッピングモーター。
この制御方式ならオーバーシュートを
かなり抑えることができます。

ブーストアップでのオーバーシュートは
タービンの限界を超える危険が、
補機類の限界に近い領域でのオーバーシュートは
燃料系の限界を超える危険が高まります。
もちろんセッティング時に
それを見越せば問題ありませんが、
これはつまり常用域のブースト値を
下げるということになってしまいます。というわけで、
値段が少々高くてもオーバーシュートが
出にくいコントローラーを選択した方がベターです。

バルブコントローラー

バルブ側のコントローラーはABSユニットの横に付けてます。

最大ブーストは 1.2k (オーバーシュートで 1.25k)に設定。

それなりに負荷のかかる4速で見ていると
3000回転ちょいでフルブーストになり、
6000回転で 1.1k に落ち、
7000回転で 1.0k に落ちます。

多少のタレはありますけど
GT-RSの容量を考えたら上出来じゃないですかね!(^^)
触媒も付いてる訳ですし。


さてさて、最後の要。
燃調や点火タイミングのセッティングは
ショップで現車合わせをしてもらいました。

ブーストのかかっていない領域含めて
ほんと扱い易いエンジンに仕上がってます。


あ、そうそう、エアフロは定番の Z32純正、
インジェクターはサードの 530cc、
燃料ポンプはHKSの強化タイプです。





クラッチ

クラッチはニスモの カッパーミックス ツインです。

技術の進歩はスゴイですね!
このクラッチ、ハッキリ言ってノーマル並です。
ほんと扱い易い!
そりゃ全く一緒ではないですよ。
ちょっとはジャダーも出るし、踏力も20%は上がってる。
でも昔のツインプレートの違和感は無いですねぇ。
かなりオススメです。





ラジエター

ラジエターは KOYO の3層アルミ。
ストリートなら全く問題ありません。
踏んでも 90度ちょいまでです。

「3層でオーバークールにならない?」
って疑問があるかもですが、
サーモスタットは換えていないので
寒い時期でもバッチリ適温 (約85度) キープしてます。





オイルクーラー

トラストのオイルクーラーです。コアサイズは13段。
サーモスタット付です。

油温がキビシイで有名なRBエンジン。スポーティなドライブを
する人にはオイルクーラーは絶対必須でしょう。とか言いつつ、
3シーズンはダマしダマし乗り切ってきたのですが...(^^;

装着の絵

取り付け位置はラジエター前です。

で、その効果ですが...
今までの感覚からすると 「冷え冷え!!!」 です。
ザックリですが、街乗り時の平均で10℃以上下がりました。
冷え冷え、と言っても今までが高すぎだっただけで、
「街乗りでは適度な温度が保たれている」、が正解でしょう。
サーモスタットも付いてますしね。
あと、踏んでいる時の油温上昇のスピードが抑えられてます。
ちょこっと高速を飛ばしている場合、今までは冬場でさえ
油温計に目を配らないといけませんでしたが、
相当な連続高負荷をかける走りをしない限り問題無しです。





ボンディングABSユニット
右フロント ボディスロットル部

効果があるのか半信半疑だったんですが、ボンディングワイヤーを
張り巡らしてみました。いわゆるアーシングってやつです。
気休め程度かもしれませんが、これだけ太いケーブルを
ポイントポイントに落とせば、効果があることは確かだと思います。

ちなみに、落とした(=バッテリマイナスと接続した)箇所は...
サージタンクサービスホール
サージタンク最前部
スロットルボディ
ABSユニット
ウォーターアウトレット集中アース部
右フェンダー集中アース部
左フェンダー集中アース部





トップページへ 前ページへ